『本屋失格-双子のライオン堂の日々』

双子のライオン堂における日常を綴ります。 http://liondo.jp/

7月9日。雨。

雨の日は、カバンが心配。本がだいたい駄目になる。本を濡らしてしまった時の悲しみは、怒りと悲しみとそれをぶつけるものがない虚しさで、押し潰されそうになります。
カンバがパンパンなので、傘からはみだしてしまうのです
「そんなに読めないでしょっ!」ってくらい本を持ち歩く癖を治さないといけません。かれこれ15年以上、この病は治りません。

昨日は、仮の姿の日でしたので、本屋らしいことはあまりなく、この先の企画を少し考えたくらいです。
企画1が、『おすすめ本のPOPを作ろう!』読書会です。
我ながら良い企画だと思います。(K伊国屋の人もそう言ってくれたしネ)
でも、僕はPOP作りが上手いわけでもないので、ワークショップにするには、講師を呼びたいところ。POP職人さんをヘットハンティングしないといけません。

 

POPで思い出したのですが、某大手書店Bでアルバイトしていたとき、庄野潤三『プールサイド小景・静物』(新潮文庫)が、爆発的に売れたのです。

先輩が、POPを書いて、平積みにしたら。なんて書いてあったのか覚えてないんですけど、すごく短く、スパッ!って言い切った感じの文句だったと思います。しかも、絵とか色使いとかまったくなくて、無骨な文士がマジックで書いたみたいなPOPだったんです。
それでも、爆発的に売れたんですよ。『プールサイド小景・静物』がゼロ年代に。
そのとき初めて、『POPの力』を体験しました。

 

で、お前も書いてみろ、と言われて、いろいろ書いたんですが、全ボツでした。その後、1つだけ、太宰治『晩年 』 (新潮文庫)のPOPが採用されたんですけど。POP書く前と後で、そんなに変化がなくて。

POP書くのも簡単じゃないなと、思い知らされる体験でした。

 

閑話休題

『おすすめ本のPOPを作ろう!』読書会は、近々ゆるーい感じでやります。そのうちワークショップみたいな、伝説のPOP職人!的なね。

他にも、文学散歩や俳句散歩、怪談とか今年はオーソドックスなものもやりたいと思っております。ご期待ください。

 

店長。

 

~本日のオススメ~
永井荷風『あめりか物語 』(岩波文庫