『本屋失格-双子のライオン堂の日々』

双子のライオン堂における日常を綴ります。 http://liondo.jp/

SF大賞最終候補に。『北の想像力』寿郎社

f:id:liondo:20141231141534j:plain
年末にひとつ嬉しいニュースがありました。
双子のライオン堂で、お客様と勝手に盛り上がって応援しておりました『北の想像力 《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅』(編:岡和田晃/寿郎社)がSF大賞の最終候補に残ったようです。

大著(ほんとうに大きい!)と出会って約半年。勝手に応援団として、いろいろ勝手に盛り上がってきましたが最終候補に残って本当に良かったです。

思い起こせば、大学のイベントで本著と編者で著者の岡和田晃さんに出会い、その時からこの異様な本に魅了されました。SFはまったくの門外漢なのですが、本のもつエネルギーにやられました。そして、SFに導いてくれました。こんな素敵な出会いはなかなかないです。なるべくジャンルを意識しないで読んでいるつもりですが、どうしても偏ってしまう。そういうものを乗り越える力のある本との出逢いはとても大切です。

もうひとつエピソードとして、先述のイベントから数日後、電車に乗っていたら白く大きな本を広げて熱心に読んでいる人がいて、直感で『北の想像力』じゃないかと思って、どんな人が読んでいるのかな、と顔を上げるのを待っていたら、なんと岡和田さんご本人だったんです。出版されたあとも誤字などチェックしていたそうです。思わず、お声掛けしてしまいました。(ちなみに編者ページに正誤表が掲載されてます。)

それらの縁もあって、初回に5冊入荷。正直、買い切り書店としては勝負の数字です。
それを常連さんたちが面白がってくださり、完売。追加で5冊、頼みました。(それも完売。追加注文。)
そして、イベントを幾つか企画し、しまいには読者で北海道旅行まで企画。出版社の寿郎社さんにまでお邪魔させていただき、著者の方たちとも深いお話をさせていただきました。(ぼくは行けなかったので、お店からスカイプ参加)

なんだか、今年一年間を盛り上げていただきました。本ってプライスレスだなってつくづく思いました。本の楽しみ方ってまだまだあるな、とも。本屋として読者として大変勉強になりました。

大賞発表は、2月とのこと。
何かイベントをやる予定です。

もちろん、双子のライオン堂は『北の想像力』をまだまだ販売しております。
自分へのお年玉として、ぜひご購入頂ければと思います。
SF好きはもちろんのこと、文学、人文学、はたまた宇宙好き北海道好きの方にはオススメです。